あれから9年。
そして阪神・淡路大震災からは25年。
どちらの年もびっくりするほどの暖冬でした。
だからこの冬の暖かさに嫌な予感を感じずにはいられませんでした。
予防するしかないなんて、不安だらけの毎日ですよね。
まことしやかな噂が広まったり、心無い中傷もあるようですが、イギリスでは尽力する医療関係者に敬意を表すために一斉に拍手を送ろうという呼びかけに多くの人が参加したそうです。
阪神・淡路大震災が起こった25年前、すでに実家を出ての一人暮らし。
が、友人が留学から戻ったこともあって、前夜に少し遅めの新年会が我が家で催されました。
狭い部屋の中に友人が3人もいてくれたことが宮田にとっては幸運でした。
その後しばらくは友人宅で大家族のような合宿生活をしていました。
被害の少ない地域だったので、やってくる知人にお風呂を提供したり、洗濯をしてあげたり、炊き出しに持っていくおにぎりを作ったりそんな毎日でした。
震災の前から友人一家は私と友人を血のつながらない姉妹として扱っていたので、避難してきていた友人の祖父母さえ孫が増えたように接してくれていました。
今でもたまにお祖父さんとのやりとりを思い出したりします。
この本は津波で流された家を元の場所に再建するまでのお話です。
当事者ならではの内容もありますが、資金不足や病気という難問を乗り越えて家族のために当たり前の普通の生活を取り戻そうと奮闘する姿が描かれています。
大きな災難の後にいいこともそうでないこともたくさん起こりますが、一緒に前を向いて歩いてくれる人がいればきっと大丈夫、そんな気にさせてくれる本です。