言い訳させてください。
受賞したから観に行ったわけではありません。
映画館の公開予定サイトで見つけて、新聞にも記事が掲載されていたから観ようと思っていただけです。
というわけで、2019アカデミー賞受賞の「グリーンブック」を観てきました。
(※以下、ネタバレ注意!)
「グリーンブック」とは、まだ人種差別の残るアメリカで黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブックのことです。
すごく昔のことだと思っていたけれど、宮田が生まれる数十年前まで使われていたと知って驚きました。
物語では黒人を毛嫌いしていたイタリア系白人男性が、愛する家族を養うため背に腹は代えられないと黒人ピアニストの運転手兼ボディガードになり一緒に旅に出かけます。
お金も教養もないけれど誰にも指図されないトニーと、お金と教養だけでなく気品と才能もあるのに差別されてしまうシャーリー。
本当に考えられないお話です。
一緒に時間を過ごすうちに互いを理解して歩み寄っていくふたり。
数々の困難を乗り越え、お互いにとって本当に大切なものを守ろうとするふたり。
肌の色でも雇用関係でもなくひとりの人間として相手を思いやるふたりの友情に救われる思いです。
旅の間に何度も警察官にひどい仕打ちを受けてきて、またかと思っていたら「パンクしているよ」と教えてくれて、雪の中交通整理までしてくれた白人警官には思わず拍手です。
これまではひとり孤独だったシャーリーが、クリスマスの晩勇気を出して招待してくれたトニーの家を訪れます。
旅に出かける前は黒人に対してひどい暴言を吐いていたトニーが、シャーリーを友人として迎える姿を見た家族たちは一瞬の沈黙の後、あっという間にシャーリーを温かく受け入れます。
人間は間違いを犯すものだし、自分と異なるものを受け入れにくいものです。
でもほんの少しの勇気があれば、物事は良いほうへと向かっていく。
それを思い出させてくれるいい映画でした。
ちなみにおふたりは実在の人物だそうです。