バレンタインの時期だけではなく、一年を通してチョコレートを専門に扱うお店が日本にも増えてきましたね。
ぱくっと一口で幸せが広がるいわゆる「ボンボンショコラ」は、クリームが若干苦手な宮田でも安心して食べられるので大好きです。
ショコラティエとは、チョコレート専門の菓子職人のことです。
主人公は神戸で出会ったふたりの少年。
無邪気な子供時代はただただ好きなお菓子に囲まれるだけで満たされていました。
でも成長するにつれて持つ者と持たざる者の間で苦悩するふたり。
家庭の裕福さや才能、信仰心。
持っているから幸せで持っていないから不幸せとも限らない。
もがきつづけた先にふたりが見つけた答えは、自分の心に正直に生きること。
所々に私たちの知っている神戸が描かれていたり、ふたりが経験する阪神大震災に当時の記憶や感情を重ねたりと、ものすごく感慨深い本でした。
いつも一緒にいたふたりがふとしたきっかけで疎遠になっていったのに、同じ夢を追いかけ始める最後が現在の神戸の姿と重なってとても清々しい気分になりました。
