新作が出版されると聞いて、ワクワクして待っていた木皿泉さんの小説。
そこに登場する主人公たちを宮田はほとんど知っていました。
なぜなら2016・2017年のお正月にドラマが放映された「富士ファミリー」の登場人物たちだったからです。
一癖も二癖もある家族のお話は笑いあり、涙ありでとても良い作品でした。
小説ではその世界観はそのままに登場人物それぞれの視点の物語が、病気で亡くなった次女のナスミさんを軸に描かれています。
大切な人を想う気持ち、それをうまく伝えられないもどかしさやぽっかり穴が開いたような喪失感は、誰のお話にもどこか共感が持てます。
この物語の素晴らしいところはただただ悲しいだけのお話ではなく、たとえ体はなくなっても残された人々の記憶の中で生き続けることができるということ。
そうやって命は繋がれていくことをありふれた日常に描いていることだと思います。
生と死という永遠のテーマをわかりやすい言葉で扱っているので、ぜひこの本は子供さんにも読んでもらいたいと思う宮田なのでした。
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