2017年本屋大賞「蜜蜂と遠雷」

20181015

2018年ではなく、2017年です。
図書館に申し込んでから手元に届くまでに丸々1年以上かかりました。
上下二段の507ページに一瞬たじろぎましたが、読みだしたらあっという間でした。
3年ごとに開催される国際的なピアノコンクールが舞台です。
主人公は年齢も経歴も異なるコンテスタントと呼ばれる参加者の一人だったり、
彼らをそばで支える人々だったり、かつてはコンテスタントであった審査員の一人だったりと場面ごとに変わっていくので読んでいてまったく飽きません。
優劣を競うだけがコンクールではなく一次、二次と審査が進むごとにコンテスタント同士が刺激し合って各々の演奏が磨かれていきます。
その姿は技術を競い合うだけではなく内にある音楽をピアノを通して表現しているように感じられました。
最後はもちろん順位が決まるのですが主人公たちは誰もその順位を必要以上に気に留めることもなく、自分の音楽をより深めるための新しい一歩を踏み出していくのでしょう。
こんな風にピアノが弾けたら見える世界もきっと違うのでしょう。
ちょっぴりうらやましい宮田なのでした。

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