時を見ているキリン

こんにちは、片野です。
先週のはじめ、キンモクセイの香りが突然たちこめたように感じて9月も終わりなんんだと悟りました。
(私のなかではなぜかこの香りと、日付が結びついてしまうのです〜長く生きてるからね〜)

さて、10月に突入してはや3日め...
日曜日、カレンダーをめくりながら、なんともいえない焦燥感に駆られたのは事実です。
2017年があと3ヵ月だなんて...。
あと、3ヵ月! — うわぁ—っ — 皆さまは大丈夫ですか(笑) なにが?って聞かないで。。。。

著者、水こし町子さんの『 時を見ているキリン 』です。図書館を立ち去り際にタイトルに惹かれて何気なく手にとった詩集でしたが「あぁこの場所がわかる…」と神戸の地名が目に飛び込んできて、そのまま置いて帰れなくなり、もう1冊追加で借りることに…読書の秋ですものね。

神戸の大震災を須磨区のご自宅で経験されて、それから十数年後の風景がこの中に切り取られています。
さりげなくでてくる須磨の海岸やその付近の道筋や様子がわかるともっともっと詩が深く自分の琴線にふれていく感じがして、この作家さんに初めて出逢った気がしませんでした。

震災のことも含め、その後の風景を自然体で詩に綴り、表題にでてくるキリンは置き物のキリンで、家の中でずっとずっと変わりなく時を辿り、みつめる存在として登場します。

時間は遡れない、刻み続けるしかないんだよ—。この10月を迎えてざわめく私の心をちょっぴりなだめてくれた本でした。

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